コートルード美術館展のイチオシ コレを見る

上野の東京都美術館で「コートルード美術館展」が開かれている。日本人が大好きな印象派の展示であるだけに大変な混雑が予想されるし、現に混雑しているようだ。

そこで毎度のことであるが、こうした超人気エキジビジョンを見るにあたってはコレという作品に狙いを定めることをオススメする。まずはわたしのイチオシを3点、お伝えしよう。

「花咲く桃の木々」

まずはロビー階、入ってすぐのところに鎮座ましますのが本作「花咲く桃の木々」である。フィンセント・ファン・ゴッホ作である。同じ上野公園の敷地内でちょうど「ゴッホ展」が開かれており、「糸杉」はじめ、多くのゴッホが来日しているのだが、残念ながら本作を超えるものはない。サミュエル・コートルードの慧眼、おそるべし・・・素晴らしい作品である。

1889年というから、ゴッホ、死の前年の作である。おりしもゴーガンとの共同生活が破綻を迎え、サンレミの病院に入ろうかという時期である。ゴッホの精神は怖ろしく不安定だったろうが、だがこの絵を見る限り、ゴッホという人はやはり画家だったのであり、イーゼルの前ではステキに知的な人だったというほかない。画面の張りも素晴らしいが、見ていると、130年前のアルルにスーッと連れていかれそうな錯覚を覚える。

1927年、9000ポンドで購入・・・安いんじゃないの?

「アンティーブ」

時をほぼ同じくして、1888年、モネが手掛けた作品が同じ並びにある。これも素晴らしい作品だ。もう30年近くも前になるが、わたしはアンティーブに行ったことがある。友人がヴァンスというところに住んでいて、ケルンから夜汽車に乗ったのだが、降りるように言われていたのがアンティーブの駅だった。

9月上旬、まだ真夏の太陽のもと、海が、建物が、木々がステキに青く、涼しげだったことを憶えている。この作品の前に立って、わたしはつかの間、アンティーブの駅前のカフェでぬるく、それでいてさわやかな風に吹かれているような錯覚を覚えた。

欲しい・・・1600ポンド?・・・無理か・・・

「カード遊びをする人々」

この絵はぜひ、少し離れたところから、それも正面からではなく斜めから見てほしい。絵というものが持つ「もの」としての側面をこの絵は垣間見せてくれるだろう。そしてこの絵の持つ「もの」としての存在感の強固なこと・・・「自然に即してプッサンをやり直す」とは生前のセザンヌの言葉だが、なるほどプサン顔負けのクラシカルで重厚な画面である。すごいな・・・

 

 

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