ポントルモの作品

マニエリスムを代表する画家、ポントルモがステキな画家であることは紹介した。では・・・彼の作品を見るにはどこへ行けばよいのだろうか。あるいは何を見たらよいのだろうか。今回はそうした問いに答えていこう。

ズバリ、フィレンツェ

まず、彼の作品はどこで見られるか。答えはずばり、フィレンツェである。フィレンツェには本当に何でもあるな・・・あの有名なヴェッキオ橋のすぐ近くにサンタ・フェリチタ聖堂というのがあり、その中のカッポーニ礼拝堂にポントルモの代表作「十字架降架」があるのだ。

1525年から3年の月日を費やして制作された。ポントルモ30代前半の作で、なるほど、エネルギーに満ち満ちた野心的な作品である。

まず目を奪われるのがその色彩である。このピンクや青はどうやって出したのだろう。現代の工業製品ではなく、500年も前の、まだ顔料を大理石の板の上で練り合わせていた時代なのである。よくよく見ると、しかしこういった色遣いはミケランジェロにすでにみられているように思う。「ドーニ家の聖家族」や「システィナ礼拝堂の天井画」を見るとよい。

そしてなおもよく見ると、人体の量感を表現するために、極端に反射光を明るくしていたり、最も暗い部分を形の稜線の部分に持ってくるところなどは彫刻家ミケランジェロからの影響であるように思われる。

それにしても、不思議な、ある意味現代的な絵である。ジョルジュ・ヴァザーリが「マニエラ」と呼んだのもうなずける。ちなみにカッポーニ礼拝堂については壁面にフレスコで描かれた「受胎告知」も素晴らしい。

ロスアンゼルス

次は意外にもアメリカはロスアンゼルスである。ポール・ゲティというミネソタ生まれの石油王が作った美術館が1989年、クリスティーズでこの絵を落札したのだ。その額、なんと3520万ドル・・・

だが、決して高すぎるということはないであろう。なんとも素晴らしく、また不思議な絵なのだ。この不思議さをなんと表現したらいいのだろう・・・とにかく作品を見てもらうしかないな・・・

図書館

イタリアにもフィレンツェにも行けない人は図書館に行ってもらおう。白水社から出ている「ポントルモの日記」を読んでみてほしい。これは、最晩年、体調を崩したポントルモが自分の体調を管理するためにつけだした日記なのだが・・・とにかくシュールなのだ。あまりにもシュールで、あのアンドレ・ブルトンが激賞したくらいなのである。小一時間もあれば読めてしまうようなものなので、ぜひ一度読んでみてほしい。

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