休暇についてのドイツ語会話―Schoenes Wochenende 

Schoenes Wochenende! 良い週末を!

「ショーネス・ボッヘンエンデ!」―ドイツ語会話を学んだことのある人間ならば、毎週金曜日には必ず耳にする言葉である。ちなみにこれは「Ich wuensche Dir schoenes Wochenende!」(わたしはあなたが良い週末を送られることを願っています)の略で、ゆえにWochenende(週末)は4格をとることになる。

「ショーネス・ボッヘンエンデ!」といわれたら「ダンケ!グライヒファルスDanke! Gleichfalls.」(ありがとう!あなたもね。)というのが決まり文句である。バリエーションとしては「Frohe Weihnachten(良いクリスマスを)」や「Gute Reise(良い旅を)」などがある。

Freizeit 自由時間

さて、ここまでなら単なるドイツ語会話の決まり文句なのだが、問題はここからである。なぜ、ドイツ人は週末や休暇の前に決まってこのようなことを言うのか。それは彼らが「Freizeit(自由時間)」というものを何よりも大切にしているからである。

ちょっと我々日本人には信じられないのだが、わたしがドイツ語を学んでいた1990年頃、ドイツの正社員は一月くらいの有給休暇をとるのは当たり前であった。ドイツ語でバカンスのことを「Urlaub ウアライプ」というが、7,8月が近づくと彼らの話題は休暇のことがほとんどとなる。わたしが使っていたドイツ語の教科書も「Urlaub」に丸々一章を使っていたほどであった。われわれ日本人が勝手にドイツ人に抱いているイメージとは違って、じつはドイツ人は働かない時間が大好きなのである。

したがって、そうした「Freizeit(自由時間)」が明けた後の会話はどうなるか?賢明な読者の皆さんはお察しの通り「Was machst Du am Wochenende?(週末何をした?)」「Wie war es im Urlaub?(休暇はどうだった?)」のオンパレードとなるのである。こうした会話がごく自然に、楽しくできる人は良い。その人はドイツ語に向いている。ところが・・・

Goldene Woche ゴールデンウィーク

ドイツ語会話を学んでいた頃のわたしときたら、ドイツに行く費用を貯めようと必死になってアルバイトをしている身であった。アルバイトとドイツ語でいっぱいいっぱいで、絵を描く時間も場所も、そして意欲さえもなくなっていった。

忘れもしない、世の中が平成になって一年余りが経ち、世の給料取りたちはザクザク入ってくるお金を何に使おうか一生懸命になっていた。そんなゴールデンウィーク。アルバイト先に仕事はなく、かといって遊びに行けばお金がかかる。もっとも、友人は少なく彼女もいない身であれば遊びに行く当てもなかったのだが・・・しかたなく外をぶらぶらしてるとパチンコ屋が目に入った。暇つぶしにと500円だけ玉を買ってパチンコ台の前に座るとなんとビギナーズ・ラックで出るわ出るわ・・・あっという間に二箱ほども玉が出た。当時、16000円くらいになったと思う。

ゴールデンウィークが明け、ドイツ語学校では例のごとく「何をしましたか」の応酬となった。「ニーチェの『悲劇の誕生』を読了しました」[ピアノを弾いていました]「京都に行ってきました」というクラスメイトの言葉に冷や汗をかきながらわたしは「Ich bin in der Pachinko-Halle gewesen. Ich habe 16 Tausend Yen verdient.」(わたしはパチンコ屋にいました。16000円も稼ぎました。)と言った。それを聞いた時の女性講師の渋い表情と言ったら・・・今も忘れない。

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