クリムト鑑賞のコツー人物画

クリムトの作品を鑑賞するコツについてお伝えしよう。クリムトの作品はどれも完成度が高く、数も比較的多いので、どこで何を見たらいいのか知っておくとよいだろう。今回は人物画に的を絞り、その中から3点を紹介する。

ユディトⅠ

まずはオーストリア美術館にあるこちらの作品から。オーストリア美術館は、ベルヴェデーレ宮殿にある三つの美術館の総称である。クリムトの作品があるのは上宮の「19世紀、20世紀美術館」。ウィーンにあり、市電や地下鉄で行ける。ちなみにベルヴェデーレ宮というのは、1683年にウィーンがオスマン帝国軍に包囲されたときにそれを破った軍人オイゲン公の別荘である。

説明が長くなったが「ユディトⅠ」は1901年、クリムト39歳の時の作である。なにはともあれ、この表情を見てほしい。なんと官能的な表情なのだろう・・・恍惚としたまなざし、薄く開かれた口元・・・そこから除く前歯のきらめきがなんとも憎いな・・・表情を見たあとは自然に乳房に目がいくと思うのだが、またこの乳房の大きさの絶妙なこと・・・これより大きくても小さくてもこれほどエロティックにはならないだろう。そして、画面に施された金箔・・・金箔は額縁にまで及び、額縁には「Judith und Holofernes(ユディトとホロフェルネス)」とある。そういえばホロフェルネスがいるのだ。画面右端、じつはユディトが何気なく小脇に抱えているのがホロフェルネスの頭部なのだ。ああ・・・

クリムトはとても体臭の強い人だったという。あるいは彼の異常に強い性欲がここまでの絵を描かせたのかもしれない。

エミーリエ・フレーゲの肖像

こちらはベルヴェデーレ宮にほど近いウィーン市歴史博物館所蔵。1902年作である。まずはこの青をしっかりと堪能しよう。すごいな・・・この青がこれほどまでに青く見えるにはじつは他の色味の助けを借りているわけだが、どんな色がちりばめられているかをよく見てほしい。モデルのエミーリエはクリムトの義理の妹にあたる。自立した女性だったというが、なるほどこの強いまなざし、意志を感じさせる口元、腰に当てられた左手などはよくこの人のひととなりを表している。

メーダ・プリマヴェージの肖像

ニューヨーク、メトロポリタン美術館にある名品。1912年というからクリムト50歳。円熟期の作品である。かわいいな・・・この子はAKBにいたら間違いなくセンターを張れるに違いない。クリムトはどちらかというと成熟した女性を多く描いており、このような少女像は珍しいといえる。背景のピンクが少女の初々しさをよく表している。いったい、ピンクというのはハレーションを起こしやすい色であり、扱うのが難しい色である。それをここまで御しているクリムトはさすがである。ここも、ピンク以外にどんな色や仕掛けが施してあるのかを入念に見てほしい。いろいろなことがなされているから驚かれると思う

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