あなたの知らないドイツ人彫刻家

ルネサンス期、ドイツには画家だけではなく、彫刻家にもスゴイ人がいた。こんなスゴイ人たちのことを知らないのはもったいない。ドイツに行ったらぜひとも見てほしい。

リーメンシュナイダー

比較的、知名度が高いのであるいは名前くらいは聞いたことがあるかもしれない。1460年頃、ザクセンのハイリゲンシュタットで生まれた。父は貨幣職人だったという。当時、職人はある程度の修行を積むと、各地を遍歴して腕を磨くのが常で、リーメンシュナイダーも遍歴を重ねて1483年、ヴュルツブルグにやってきた。ここで彼は成功を収め、市長まで勤め上げたが、折からの宗教改革で農民戦争が勃発。彼は農民側について敗退し、1531年、寂しくこの世を去った。

だが、彼の作品は長く後世に伝えられて今も残っている。代表作はクレクリンゲンのマリア祭壇である。クレクリンゲンはロマンティック街道で有名なローテンブルグから20㎞ほど離れたところにある。マリア祭壇はヘルゴット教会というところにある。1505年~10年頃の作。様式的、解剖学的にはルネサンスというよりも後期ゴシックと呼んだほうが良さそうなのだが、とにかく人物のしぐさや表情がリアルなのである。そして、何とも憂いに満ちたまなざし・・・なぜリーメンシュナイダーの彫る人物は悲しそうなのだろう・・・あなたもご覧になって考えてみてほしい。

バッハー

生年は不明だが、南チロルで活躍した彫刻家である。南チロルはすったもんだあって現在はイタリア領になっている。バッハ―の代表作はザンクト・ヴォルフガング祭壇である。先のリーメンシュナイダーもそうなのだが、南ドイツは菩提樹の産地であり、木彫制作が盛んになった。この祭壇も木で作られている。なんと11メートルを超える大作である。彩色と鍍金が施され、豪華で荘厳な雰囲気を醸している。彩色を施された人物は本当にリアルで、気味が悪いほどである。

ちなみにこのザンクト・ヴォルフガングはザルツカマングートというところにある。ウィーンから西、ザルツブルグやインスブルックに向かって「コリドアツーク」(回廊列車)というのに乗ると、途中で見える美しい湖畔の町である。「絵に描いたような」とはまさにこの町にこそふさわしい。ザルツブルグへ行くならぜひ立ち寄りたい。

シュトース

1447年、ニュルンベルグ生まれ。1477年から20年ほどポーランドのクラクフに滞在。代表作であるマリア祭壇を手掛ける。のちにニュルンベルグに帰り、バンベルグ祭壇を制作。1533年、死去。

クラクフのマリア祭壇は、とにかく背景の青がなんとも神秘的で美しい。一方のバンベルグ祭壇は彩色を施していないモノクローム彫刻だが、その分深い精神性が感じられる。ちなみにクラクフもバンベルグも世界遺産に登録されている町である。クラクフはちと遠いが、バンベルグはニュルンベルグやあのバイロイトにも近いので、ドイツ観光のついでにぜひ立ち寄りたい。

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