ほんとうにうつくしいレンブラント3点

うつくしいレンブラント作品を紹介しよう。えっ?言われなくてもレンブラントの絵はそこそこ見ているし、その中にはうつくしいものもあったけれど・・・という声が聞こえてきそうだ。

だがよく考えてみよう。レンブラントは生前から人気が高く、作品は全世界に散らばっているし、複製もたくさん作られた。ゆえにレンブラントに対して貼られた「うつくしい」という言葉は、じつはとても範囲が広くて曖昧になりがちなのである。

「自分の目で見る」が信条の我が独和珈琲絵画館であっては、レンブラントのここが「うつくしい」と明確に述べたうえでベスト3を紹介しようではないか。

どこがうつくしいか

ずばり、レンブラント作品の中で良いのは肖像画群である。その中でも彼が飛びぬけて上手く、素晴らしい効果を上げているのは婦人像、それも反射光の照り返しを受けて透き通るまでに白く表現された婦人像である。

では実例をご覧いただこう。

ある家族(1668年~69年)

ドイツ北部にブラウンシュヴァイクという町があり、そこにあるアントン・ウルリッヒ候美術館に所蔵されている。ドイツというのは不思議なところである。人口もそこそこの地方都市の美術館に第一級の美実品が所蔵されていたりするのである。

さて、見てほしいのは一番右端、幼子を膝に乗せた夫人である。この夫人はまた色白だな・・・ドーランでも塗っているのかと思うまでに真っ白である。この夫人をここまで色白に見せるのは衣装の赤である。そしてその衣装をここまで赤く見せるのは、じつは絵の具の赤ではなく、暗部に施されている黒、セピア、レーキでそれらを載せるにあたってのレンブラントの筆さばきが素晴らしい。

ヨセフの息子を祝福するヤコブ(1656年)

これもドイツにある。ドクメンタという国際美術展の開かれるカッセルという町である。ヤコブの衣装は金色に光輝いている・・・いや、金色を通り越してプラチナといってもいいだろう。そして、これも右端で見守る婦人の肌が透き通るほど白い・・・この夫人の表情はどことなく悲しげで良いな・・・こんな表情の女優さんをわたしはどこかで見たような気がするのだが・・・

ヘンドリッキェ・ストッフェルス

ルーブル美術館が所蔵する押しも押されぬ名品である。1654年作。レンブラントの面目躍如といった作品である。おそらくレンブラントは薄く説いた透明色で肌の暗い部分にうっすらと影を落とし、そののちに明るめの色で再び形を描き起こしている。こうすることで、顔は石膏のように白く、また立体的に光り輝くというわけだ。ちなみにヘンドリッキェは、愛する妻サスキアがなくなった後で雇った家政婦である。こんな家政婦なら、わたしもすぐにでも雇いたい。

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