カミーユ・コローのいちおし3枚

 

 カミーユ・コローのイチオシ作品、3枚を紹介する。コローは日本人に人気のバルビゾン派との交流から、一般には風景画家として捉えられているようである。ところが、ところが・・・コローの作品をたどっていくと、どうしてどうして、コローの本当に良いものはじつは人物画なのだ。

 いつものように、コローの人となりをたどったのち、コローの人物画ベスト3を紹介しよう。

ひととなりについて

 ジャン・バティスト・カミーユ・コロー。フランスが激動に揺れていた1796年、パリの裕福な織物商人の長男として生まれた。はじめは父の後を継ぐべく家業についていたが、26歳で絵画の道へ進むことを決意。なんと同い年の画家のもとに弟子入りする。すごいな・・・    

 3年後にはさらなる修行のため、イタリアへ旅立つ。イタリアへは都合3回行っているのだが、彼はローマ賞を受けているわけではないので、自費で行っているのである。うーん・・・これも考えさせられるな・・・現代でも賞を得て公費で留学している人はたくさんいるが、すべての人が留学後に良い仕事をしているわけではない。反対に私費で外国に行く人もいるが、案外帰国後に良い仕事をしたりしているのである。要はその人のモチベーション次第なのである。

 話がそれた。32歳で帰国したのちは、フォンテーヌブローやバルビゾンに滞在しながら風景画を制作。サロンにも出品し、そこそこ入選もしていたらしい。

 1855年、パリ万国博覧会で最高賞を獲得。59歳にして広く世に認められるようになった。名声を獲得しながらも79歳で亡くなるまで画業に専念し、生涯結婚することはなかった。

読書する少女

 それではコローの肖像画ベスト3を見ていこう。まずはビュールレコレクション所蔵の「読書する少女」(1845~1850年)小ぶりの絵ながら、その存在感は際立っている。国立新美術館で開かれた「ビュールレコレクション展」を見たが、わたしはルノワールの「エレーヌ・カエン・タンヴェール」よりもこちらのほうが良いと思った。衣服の赤が素晴らしい。これは、赤自体が素晴らしいというよりも、その赤をステキに見せる周りの色合い、筆致が素晴らしいのだ。

青衣の婦人

 コロー最晩年の作品である。いったいコローというひとは天才肌ではないのだが、色価(バルール)に対する感覚は天賦のものがあるな・・・コローが何気なく混ぜた色、画布に走らせた筆のストロークがことごとくピタッと「青衣の婦人」になっているのである。この絵の青も素晴らしい・・・

真珠の女

 言わずと知れたルーブルの至宝である。1868~70年というからコローが70歳を超えてから描かれた絵である。こんなに玄妙な色味、タッチが表現できるなら年を取るのも悪くはないな・・・モナリザを意識して描かれたといわれているが、わたしはモナリザよりもこちらのほうが好きだ。

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