うつくしいごちそう―ジオットを知りたい

 世界中のうつくしいものの中にはごちそうに例えたいものがいくつかある。ジオットもその一つである。ジオット?ご存じない方もおられるかもしれないが、押しも押されぬ初期ルネサンスの大家である。こんな素敵な人を知らないなんてもったいない・・・「ジオットをもっと知りたい」この独和珈琲絵画館を訪れて、ぜひそう感じてほしいものだ。

イタリアに行くべし

日本では、盛期ルネサンスのミケランジェロやダ・ヴィンチと比べて、ジオットの知名度はいまひとつかもしれない。その理由の一つとして、ジオットの作品は図版ではなかなか分からないということがある。

ジオットは存命中から、かなり高名であったのだが、現在、最高傑作として残されているものは以下の2点であり、いずれも建物内部に描かれた壁画なのである。その良さを体感していただくには、実際にそこに行って、絵に包み込まれていただくのが一番である。というわけで、ジオットを知る第一は、パドヴァとアッシジに行くべし!である。

スクロヴェーニ礼拝堂 パドヴァ

スクロヴェーニ礼拝堂はイタリアはヴェネト州の州都パドヴァにある建物である。ヴェネツィアから鉄道で20分ほどなので、ぜひ立ち寄ってほしい。

内部はヨアキムやマリア、キリストの生涯を描いたさまざまな場面で埋め尽くされている。図版ではわかりにくいのだが、礼拝堂は建物なので、正面、背面、側面、天井があり、内部に身を置いてみると、それぞれの壁が特有の意味を持ってわれわれの感覚に訴えてくるわけだ。

左右の壁はそれぞれ3段ずつに仕切られおり、各場面の絵柄は上下左右や、対面の壁の絵柄と共鳴しあうように、実によく練られている。加えて、フレスコで描かれた画面の保存状態が良く、その発色は今も素晴らしい。システィナ礼拝堂やサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ修道院の壁画と比べて見られるがよい・・・

サンフランチェスコ聖堂 アッシジ 

アッシジはローマから鉄道、バスで2時間余りのところにある。キリスト教、フランチェスコ会派の聖地である。その聖フランチェスコの生涯が内部に描かれた聖堂がサンフランチェスコ聖堂である。黄金色に光輝く聖堂の内陣と壁画との調和をぜひご覧あれ。

それでも図版で見るしかないときには

そんなこと言ってもイタリアは遠く、お金はかかるし、時間もないし・・・という方は、ぜひ、上記の聖堂、礼拝堂の全体がわかる図版で鑑賞されるよう、お勧めする。それぞれの場面ごとに区切って見るよりも、全体で並べてみると、いろいろな発見がある。最初に見えてくるのは、全体の色面構成である。空の青、衣装の赤や黄というものがじつにバランスよく配されているのだ。そして、表情豊かな衣文・・・ミケランジェロが模写しているが、ジオットという人は衣服のひだで人物の感情を良く表現している。そして最後に人物の表情で締める・・・ン―、ごちそうさま。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です