3回おいしいボナール

3回おいしい ボナールのひつまぶし

ボナール展に行ってきた。29日(土)のことである。

台風が接近しており、次の日の日曜にはどうも関東を通過するらしい・・

となれば、以前にもお話したが、人気展覧会に行くならば、こういう日の終了間際がねらい目である。ちょうど、友人が新美術館を会場とした公募展に出品しており、それを見た後で訪れた。17:30を回っていた・・・やはり読み通り、ほとんど他人の頭に悩まされることなく、ボナールを心行くまで堪能できた。

というわけで、これからボナールを訪れる人のためにいくつかアドヴァイスをさせていただこう。

  すぐさま第4コーナーに向かうべし

以前にもお話したが、展覧会に行って、入り口にある「あいさつ」を読むのは愚の骨頂である。几帳面に端から並んで見なければ済まない人たちは置いておいて、まずはまっすぐに第4コーナー「近代の水の精(ナイアス)たち」に向かおう。ここではわたしがおすすめしたボナールの裸婦が迎えてくれるはずである。この7枚をまずは遠くから眺めよう。ボナールの絵はじつに不思議で遠くには遠くの、近くには近くの楽しみ方があるのだ。「おっ」と思う作品があったら近寄って行こう・・・でもあまり近づきすぎないで・・・できれば目の端でとらえる感じ・・・あるいは人の頭越しでも構わない。とにかく、直視しないことによって作品の存在感が感じ取れるはずである。そして最後に、作品の前にひいてあるラインぎりぎりのところまで近づいてボナールの目線で絵の具や筆の息遣いを感じよう。

皆さんはどの裸婦がお気に召しただろうか?たまたま会場でお会いした美術作家のBさんは「バラ色の裸婦 陰になった頭部」を絶賛していた。わたしは新潟市美術館にある「浴室の裸婦」が好きで、ご対面ももう3度目なのだが、絵も年齢とともに見え方が移り変わるようで、以前、見たときの方が良いような感じがした。

  板さんの気持ちになって・・・

さて、第4コーナーの次は第5コーナー「室内と静物」に向かおう。

ここでの注目はずばり「白」である。テーブルクロスや女性たちの衣装に白が用いられているのだが、これがまた玄妙な白なのだ・・・チューブから絞り出したただの白ではなく、その白にどんな工夫が施されているのか、よく観察し、そして想像しながら味わってほしい。

そう、カウンターで和食を味わっているときのように。板さんが料理にどんなことを仕込んだのか、それを考え、板さんと視線をを交わすのも味のうちなのだ。

サルバドール・ダリは「フェルメールが描いているところを見られるならば、この二本の腕をくれてやってもいい」と言ったそうだ。わたしならさしずめ、「ボナールが描いているところ見られるならばコーヒーをやめてもいい」くらいのことを言うだろう。

ちなみにこのコーナーでのおすすめは「バラ色のローブを着た女」である。これは額縁も素晴らしいので、ぜひセットで、周りの空間ごと堪能してほしい。

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